さやさやの為替地図

頑張れば頑張るほどはまるFX沼からの脱出の物語

静かな湖畔の甘い夜風

ブログを書くのが趣味なおじさん、さやさやです。

このブログのカテゴリーに「静かな湖畔」を追加しました。
若い頃に過ごした東京都の多摩地区と埼玉県との県境にある貯水池が舞台になっている出来事になります。拳銃や麻薬の取引に関する話は出るかもしれませんが、株や為替の取引とは無関係です。

今回は恋愛チックなことを書いてみようと思います。高校生の時の出来事です。

ボクは都内のギリギリ進学校に通っていました。
高校1年生の夏休み前くらいから同じクラスで席が近かった女の子と話をするようになりました。
その子は吹奏楽部で大きな楽器を担当していました。
その楽器を見せてもらったことがあるのですが黒いケースに入った金色のカタツムリっぽい楽器でした。名前は覚えてないです。
彼女は吹奏楽部の先輩と付き合っていると言っていたのでどんな奴なのか確認したことがあります。サラサラヘアのガリガリで見るからに当時のボクが嫌いなタイプで、同級生や熟女には相手にされないくせに、やたら格好つけて後輩の女子に手を出しそうなクズ野郎というイメージでした。制服の内ポケットにはエチケットブラシと折りたたみのクシを忍ばせているようなやつです。ボクも持ってましたが(*´ω`*)

当時ボクは女の子と付き合った事もなく、恋愛に関してはよくわからなかったのですが、その子とは不思議と気があうんだよなという感じでした。

そしてなぜかはわからないのですが、高校を卒業してからずっと、ボクは彼女の名前を思い出せません。
彼女の顔も話した内容も制服の生真面目な着方とかスタイルとかは克明に覚えているのですが、名前だけが全く思い出せません。多分これは自分に与えたバツみたいなことなんじゃないかなと思ったりもします。

夏休みに同じクラスの男女のグループで貯水池のそばの遊園地の花火大会に行った記憶があります。
その貯水池はダムになっているのですが、ダムの部分を歩いて渡れるようになっていて、埼玉側には遊園地があり、東京側の湖沿いの道は「女王様気分になれるホテルクイーン」とか「鏡の国のアリス」とかギラついた看板と建物が森の中に点在していました。
ボクたちは地元民が堤防と呼ぶダムの部分で花火を見ていました。

なにかの話の弾みで「先輩の彼氏とこういうとこ来たりするの」とボクは彼女に聞きました。

「遊園地には来たことあるかも」と彼女は答えました。

「あ~そうなんだ、ボクも子供の頃は来たことある。乗り物酔いするから苦手だからもう行きたくないけど」みたいな当たり障りのない話をしていましたが、頭の中ではもしかしてクイーンとかアリスとかも逝っちゃってるのかな。なんか興奮する(*´ω`*)ハァハァというイッパイイッパイな状況でした。
女性には理解し難いかもしれませんが、高校生男子なんてこんなもんです。口に出さなかっただけマシな方だと自負しています。

とりあえず、友達のままで夏は終わりました。

秋になってボクは400ccのヤマハのバイクを買いました。行動範囲が広がって人生が一気に開けたような気がしました。
多分違反だったと思うのですが、友達を後ろに乗せて遊びにいったりもしていました。
彼女もバイクに乗ってみたいと言っていたので「彼氏がいる子はボクの単車には乗せない(*´ω`*)キリッ」みたいなことを言っていたと思います。
秋もそろそろ終わりかなという10月の終わりくらいに、彼女が彼氏と別れたことを知りました。

「彼氏と別れたからバイク乗せて」と物理の授業の後の休み時間に言われました。
物理の教師に授業中指されたのですが答えられなかったボクにこっそり教えてくれたりもしていたので、じゃぁ今度ねとボクはOKしました。

土曜日の昼過ぎにボクは彼女の家に単車で迎えに行きました。彼女の家は中央線沿線の大きな公園の前のマンションでした。他にもスクーターの友達や単車の友達もいて、夏にみんなで花火を見に行った遊園地に行こうという話になりました。

ちなみにボクが女子をバイクに乗せるのは彼女が初めてで、彼女も初めてだったらしく、タンデムバーを握る乗り方を教えたけど上手く出来る筈もなく、流れに身を任せると言えば良いのでしょうか。

女の子をバイクの後ろに乗せると高校生男子は皆だいたいハァハァ(*´ω`*)します。

しかし、ハァハァ(*´ω`*)してるとバレるのはなんか負けた感じがするので、

全く興味もないし気にもならないね(*´ω`*)キリッ

ボクは君の前の彼氏の軟弱サラサラガリガリ君と違って硬派だからね(*´ω`*)キリッ

ボクの恋人は単車だけさ(*´ω`*)キリッ

というフリをし続けていました。

遊園地ではボクは乗り物酔いするので動きの早いものには乗れず、ジェットコースターとかのってウェイウェイしている友人達を「いい年してはしゃいでんなよ」的な目線で見守っていました。

そんなボクに気遣ってくれたのか、彼女は観覧車に乗ろうと誘ってくれました。

二人きりで観覧車に乗ると、貯水池に反射する陽の光や遠くの山々や新宿や池袋のビル群が見えました。
観覧車に女子と二人きり(*´ω`*)ハァハァとなる理想なシチュエーションですが、実はボクは高所恐怖症でビビリちらしていました。

いつもはどちらかと言えば落ち着いた感じで、吹奏楽部で勉強もできるお嬢様的キャラの彼女ですが、高度が上がるたびに東京タワーはどっち?富士山ってあの山?とテンションの上がる彼女。
彼女が振り向くたびに揺れるゴンドラ。
ゴンドラ落ちるから動かないでぇぇぇぇぇ~、やめてぇぇぇぇぇぇぇ~、消してぇぇぇぇぇぇ~、リライトしてぇぇぇぇぇ~、クレヨン。と心のなかで叫び続けるボク。
髪の毛が100本くらい抜け落ちたと思います。

冷や汗を垂らしながらずっとハァハァ(*´ω`*)

無事に地上に戻り、ホッとするボクに満面の笑みで「また乗ろうね」と彼女。

無理っす(*´ω`*)ハァハァ

当日は現地解散となり、ボクと彼女と、レイ君という男子と紀子ちゃんという女子の四人で貯水池の堤防にいくことになりました。

実は夕暮れ時の貯水池にはタッシーというUMA(未確認生物)と夜になるとUFOが現れるという噂があるから観察に行こうとレイ君が言い出して、彼女が紀子ちゃんも行こうよと誘うという段取りだったようです。

しょうもない理由で誘うよな~と今になっては思うのですが、高校生男子なんて全力で頑張ってこんなもんです。

レイ君は紀子ちゃんのことが好きで、夕暮れ時の堤防で紀子ちゃんと二人きりになれるように彼女に協力をお願いしてきたそうです。実は紀子ちゃんもレイくんのことが好きということらしく、ボクは移動中にそれを聞かされて「くれぐれも邪魔をしないように」と彼女に念を押されました。

女子のほうが大人ですね。

500m位ある堤防でボクたちは2組分かれ、レイ君と紀子ちゃんの会話は全く聞こえないというか、豆粒くらいの大きさになるくらいの距離を取りました。
ボクと彼女は夕暮れ時の湖面を眺めつつレイ君と紀子ちゃんについて、

「ボク全然気が付かなかった」

「女子はみんな知ってるよ」

みたいな会話をしていました。

自然とそんな感じの話になり、

「さやは彼女いないの」と彼女に聞かれたのを覚えています。

ボクたちはお互いに名字で呼び捨てでした。

「単車に夢中だからね。恋愛とか興味ない」(*´ω`*)

「あ~そうなんだ」

「イヤ、ホントは彼女とかほしいけど相手がいないんだよね」(*´ω`*)

静かな夕焼けの湖畔の雰囲気にのまれたボクはちょっと正直になってたのかもしれないです。

「ふ~んそうなんだ」

「彼氏と別れたって言ってたけどなんで。やっぱり変態だったから?」(*´ω`*)

「どこから変態が出てきたの?なにそれ」

「ああいうタイプはだいたい変態だって誰かが言ってた」(*´ω`*)

「変態じゃないけど他に好きな人が出来たから」

「彼氏可哀想。流石に変態でも同情するわ」(*´ω`*)

「可哀想かな~」

「新しい男は同じクラスの人?」(*´ω`*)

「うん・・・」

「もしかして単車に乗ってて、青春してて、イケメソで、背が179のボク?」(*´ω`*)

「え~と、さやは179も身長ある?170無いでしょ?」

「174.7センチあるし、まだ伸びるからね。色々なところがね」(*´ω`*)

ちょっとウケたので満足したボクは話題を変えましたました。

「ここ釣り禁止だからすげぇでかいバスとか鯉が釣れるんだよ。釣りする?」(*´ω`*)

「やったこと無いけどやってみたい。教えてくれる?」

「今度学校に釣りの本持っていくよ。貸してあげる。釣りに興味あるなんてなかなか女子には珍しいよね。釣りは鮒が基本だから、まずは多摩川でウキ釣りだね。鮒釣りはまじで奥深いからね」(*´ω`*)

鮒釣りの話題で喋りたおして日が沈み相当暗くなったのでボチボチ帰ろうとボクが言って、レイ君達に声をかけようと近づいていったら彼女が「ダメ」と小さな声でボクを止めました。

ここは後ろから肩を叩く帽子をかぶった幽霊が出る噂もあったので、もしやと彼女を振り返ってみると幽霊はいなくて、彼女の驚いた顔の目線の先には、抱き合い絡み合うような人影が。

どうもレイ君がいい雰囲気になっているようで声をかけるわけにもいかず、小声で、

「あれくっついてるよね。あれあれあれ」(*´ω`*)ハァハァ

「あっちいってようよ」という彼女の進言でまたもとの場所に戻ってきました。

この時の気まずさは相当のMAXでした。

親と一緒に洋画見ててエロシーン始まる感じとでも言えば良いのでしょうか、気まずかったです。

「ボク達はどうしようか?」(*´ω`*)

「えっ ナニを・・・」

「ナニというか、先に帰るか、あいつら離れるの待つか、門限とか時間大丈夫?」(*´ω`*)

「まだ大丈夫だけど9時までには帰らないとまずいかも」

「そんじゃもうちょっと待って離れなかったら置いて帰ろうか」(*´ω`*)

「うん・・・」

彼女はうつむいて自分の髪をいじり始めて全然喋らなくなってしまい、ボクもなんだか気まずくてすっかり暗くなった空を眺めてUFOでも飛んでくれれば話題に困らないのになぁと呆然としていました。

しばしの沈黙のうち「ちょっと寒い」と彼女が言いました。

「少し走る?それかスクワットするとあたたまるよ。一緒にやろうか」(*´ω`*)

「じゃぁスクワットかな」と彼女は少し笑い、一緒にスクワットをしました。

「片足スクワット出来る?」(*´ω`*)

なんて意味のない話をしていました。

結局その日はレイ君たちが離れなかったので、二人だけで貯水池を離れてボクは彼女を家に送りました。

信号待ちで
「二人でもっと気軽に遊び行こうよ。色々誘ってよ」みたいなことを彼女に言われました。

「彼氏がいなければいいよ」(*´ω`*)キリッ

帰り道もボクはずっとハァハァしていましたが隠し通しました(*´ω`*)ハァハァ

後日クラスではレイ君と紀子ちゃんが付き合っていると話題になっていました。
クラスでもイチャイチャしているので、早く別れろ色ボケ共が、学生の本分は勉強だ、とボクはずっと思ってました。

続くと思います(*´ω`*)